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【狭小住宅のリアル】40坪から15坪へ。文京区に住んで3年、正直「不便だな」と痛感する10のこと

こんにちは。文京区在住の歯科技工士、文京ライフです。

これまでの記事では、都内への住み替えによって「通勤時間が往復3時間から1時間になった」「資産価値が上がって精神的に楽になった」という、ポジティブな面を中心にお話ししてきました。

しかし、光があれば影もあります。 千葉県の流山おおたかの森で住んでいた「40坪・2階建て・庭付き」の家から、文京区の「15坪・3階建て・庭なし(いわゆるペンシルハウス)」へ。 物理的な広さが半分以下になったことで、生活の勝手が悪くなった部分は確実に存在します。

今回は、これから都内の狭小住宅を検討している同世代のパパさんに向けて、不動産屋の広告には載っていない、住んでみて初めてわかった「リアルな不便さ」を10個、包み隠さず記録しておきます。

良い面も悪い面も知った上で比較検討する材料にしていただければと思います。

15坪・3階建てで直面した「10の壁」

1. 友人を「泊める」機能の喪失 

これが個人的には一番の心残りであり、少し寂しさを感じる点です。今の家には客間がありません。予備の布団をしまう押し入れもありません。つまり、物理的に「友人を泊める」ことが不可能です。

流山に住んでいた頃は、息子のサッカー部の友達が週末によく泊まりに来て、リビングに雑魚寝して合宿所のように賑やかでした。また、僕の友人が遊びに来て、深夜まで飲んでそのまま泊まっていくこともありました。 しかし今は、どれだけ盛り上がっても「泊まっていけば?」とは言えません。終電で帰ってもらうか、どうしてもという時は近くのビジネスホテルを取るしかありません。我が家が「みんなが集まる拠点」ではなくなったのは、少し寂しい変化です。

2. 窓を開けると「隣の壁」まで数十センチ

都心の住宅密集地あるあるですが、隣家との距離は驚くほど近いです。手を伸ばせば届きそうな距離に、お隣の外壁があります。 「日当たり」は南向きなどを選べば時間帯によっては確保できますが、「抜け感(眺望)」はほぼゼロです。

窓を開けても壁しか見えませんし、視線も気になるので、基本的には一年中レースカーテンを閉め切った生活です。流山時代、窓を開けて庭の緑を眺めていたあの「視覚的な開放感」は、完全に失われました。

3. 朝の玄関・洗面所は「満員電車」状態

狭小住宅は、廊下や玄関ホールといった「移動のためのスペース」を極限まで削っています。その弊害が最も出るのが、朝の通勤・通学時間帯です。

家族4人が同時に出かけようとすると、玄関のタタキ(靴を脱ぎ履きする場所)が大渋滞します。誰かが靴紐を結んでいると、他の家族はそれをまたぐか、廊下で待機するしかありません。 洗面所も同様で、一人が使っていると後ろを通るのがやっと。毎朝、「ちょっとごめん」「通るよ」という声を掛け合う連携プレーが必要です。

4. 季節モノの「収納テトリス」に疲れる

収納スペースが激減したため、扇風機、加湿器、五月人形、クリスマスツリー、そして家族4人分のスーツケースといった「かさばるモノ」の居場所確保に苦労します。

屋根裏収納や、階段下のデッドスペースにパズルのように詰め込んでいく作業は、まさにテトリス。何か一つ出すために、手前の荷物を全部出さなければならないこともあり、出し入れだけで一仕事です。

5. 「あ、スマホ忘れた」時の絶望感(3階建ての弊害) 

3階建てに住んで最も膝に来るのがこれです。 1階の玄関で靴を履き、鍵もかけ、「さあ行くぞ」というタイミングで、3階のリビングにスマホや財布を忘れたことに気づいた時の絶望感。

「またあの階段を上るのか……」 急いでいる朝に限ってこれをやってしまい、息を切らして駅に向かうことも少なくありません。生活動線が垂直移動になることのデメリットです。

6. ゴミの日までの「待機場所」問題

流山の家には勝手口があり、外に大きなゴミ箱を置くスペースがありました。しかし今は、ベランダも狭く、勝手口もありません。 結果、週2回の回収日まで、ゴミ袋を室内の隅や狭いベランダに置かざるを得ないことがあります。

夏場などは特に、生ゴミの臭い対策が死活問題です。高機能な密閉ゴミ箱を買うなど、余計な出費と気苦労が増えました。

7. 家の中での「気候変動」(3階は灼熱)

暖かい空気は上に行く性質があるため、屋根に近い3階の部屋(主に子供部屋や私の書斎)は、夏場は猛烈に暑くなります。帰宅してドアを開けると、熱気でムワッとするあの感覚。エアコンが効くまで時間がかかります。

逆に、1階(寝室・水回り)は日が当たりにくいため、冬場は底冷えします。同じ家の中なのに、フロアによって気温が5度以上違う感覚です。

8. トイレの音がリビングに届いてしまう

ワンフロアの面積が狭いため、どうしてもLDKとトイレの距離が物理的に近くなります。 もちろんドアはありますが、食事中や団欒中にトイレの音が聞こえるのは気まずいものです。

家族だけならまだしも、子供の友達やママ友が来ている時などは、大人は音を気にしてトイレを我慢しがちになります。「音姫」のような擬音装置が欲しくなる瞬間です。

9. 家の前での「荷下ろし」ができない

駐車場がないだけでなく、前面道路も幅3m未満という狭さです。 たまにレンタカーを借りたり、タクシーで帰宅したりしても、家の前に車を長く停めることはできません。

後続車が来たらアウトなので、ハザードを焚いて、慌てて荷物を降ろし、車を発進させる。常に「後続車が来ないか」を気にして冷や汗をかく作業になります。優雅に荷造り、なんてことはできません。

10. 老後の不安(階段問題)

今は40代で足腰も丈夫なので、「階段は毎日のジム代わり」とポジティブに捉えています。 しかし、自分が70代、80代になった時、この急勾配の階段を毎日上り下りできるのか? 風邪を引いた時や、足を怪我した時はどうするのか?

「終の住処」として考えると、3階建て狭小住宅はバリアフリーとは対極にあるため、一抹の不安がよぎります。

それでも「住み替えてよかった」と思う理由

書き出してみると、結構な数の不便さがありますね(笑)。 ただ、誤解のないようにお伝えしたいのは、これだけデメリットがあっても、僕たち家族は「引っ越さなければよかった」とは一度も思っていないということです。

なぜなら、これらの不便さは「工夫」と「割り切り」でなんとかなるレベルだからです。

  • 友人が泊まれない → 近くで飲んで帰ってもらうか、外で会うスタイルに変えてメリハリがついた。

  • 収納がない → 本当に必要なモノ以外を買わなくなり、無駄遣いが減った。

  • 老後の不安 → 子供が巣立ったら売却して、また夫婦で住みやすいところに移ればいい(資産価値があるエリアだからできる選択)。

人間、不思議なもので「慣れ」ます。 そして何より、これらの不便さと引き換えに手に入れた「通勤時間の短縮(往復2時間の自由)」や「子供の通学のしやすさ」というメリットの方が、今の我が家のライフステージにとっては、圧倒的に価値が高かったのです。

まとめ:100点満点の家はない

家選びはトレードオフです。 「広さ」を取れば「時間(通勤)」が犠牲になり、「利便性」を取れば「広さ」や「静けさ」が犠牲になります。

もし、あなたがこの「10個のデメリット」を見て、「うわ、絶対無理!」と思うなら、都内への住み替えはやめた方がいいかもしれません。 でも、「まぁ、それくらいなら許容範囲かな」「メリットの方が大きいな」と思えるなら、あなたは都心暮らしに向いているかもしれません。

大事なのは、メリットだけでなく、こうした「痛み」を事前に知っておくこと。 痛みを知った上で選んだ道なら、きっと後悔はしないはずです。

 

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