【実録】文京区で戸建てを買う諸経費はいくら?借入7,000万円で収めるリアルな資金計画を公開

こんにちは。文京区在住の歯科技工士、文京ライフです。 

2021年の春、僕は約12年住み慣れた千葉県の「流山おおたかの森」を離れ、家族で東京都文京区へ引っ越してきました。 当時は、40坪・4LDKという広々とした郊外の一戸建てから、都内の15坪というコンパクトな住まいへの転換。 多くの決断が必要でしたが、中でも最も「生々しく」、そして検討に時間を割いたのが資金計画でした。

「都内で家を買う」と口で言うのは簡単ですが、いざ実行に移そうとすると、物件価格以外にかかる多額の諸経費や、都心特有の「借地権」という権利関係など、郊外での家探しでは直面しなかったリアルな壁がいくつも立ちはだかります。

今日は、僕が文京区で一戸建てを購入した際の総額7,000万円の資金計画表をすべて公開します。 借地権ならではの「地代」や、あえてフルローンを選んだ理由など、僕が実際に経験し、悩み抜いて出した「住み替えの正解」を詳しく綴ります。

【資金公開】物件価格以外に「450万円」が動く衝撃

都内への住み替えを検討しているパパさんたちにまずお伝えしたいのは、「物件価格=必要な資金」ではないということです。 仲介手数料や住宅ローンの事務手数料、登記費用など、いわゆる「諸経費」だけで、都内では数百万円単位のお金が飛んでいきます。

僕が文京区での新生活をスタートさせるために組んだ、借入総額7,000万円の内訳がこちらです。

項目 金額(概算) 備考
物件価格 65,470,000円 文京区での借地権・新築戸建ての現実的な価格
仲介手数料 約2,226,000円 物件価格の3%+6万円+消費税
ローン事務手数料 1,540,000円 借入額の2.2%(メガバンク標準)
登記費用・登録免許税 約400,000円 建物保存登記・抵当権設定費用
固定資産税・都市計画税精算金 約100,000円 建物部分のみ(引渡日からの日割り)
火災・地震保険料(一括) 約264,000円 構造や期間による概算
合計(借入総額) 70,000,000円 諸経費を含めたフルローン決済

この表を見てわかる通り、物件そのものに支払うお金とは別に、約450万円もの諸経費が発生しています。 特に仲介手数料の220万円超という数字は、流山でおおたかの森の家を買った時とは比べ物にならない重みを感じました。 「これだけで子供の私立中学の学費が払えるな……」という雑念を、当時は必死で振り払ったのを覚えています。

文京区で「借地権」を選ぶという戦略

「文京区で戸建て」と聞くと、1億円を優に超えるイメージがあるかもしれません。 実際、土地の「所有権」にこだわると、20坪程度の更地でも1億円以上の値がつくのがこのエリアの常識です。

そこで僕がたどり着いたのが、「借地権(しゃくちけん)」という選択肢でした。

借地権ならではの「地代」と「税金」の仕組み

借地権は、建物は自分の所有物として購入しますが、土地は地主さんから借りる形態です。 これにより、土地の購入代金がかからない分、物件価格を所有権の6割〜7割程度に抑えることが可能になります。

しかし、単に「安い」だけではありません。ランニングコストにも大きな違いがあります。

  • 土地の固定資産税・都市計画税が「ゼロ」: 土地の所有者はあくまで地主さんのため、毎年かかる土地の税負担はありません。 建物部分の固定資産税のみで済むため、保有コストを抑えられます。

  • 毎月の「地代」が発生する: 税金がかからない代わりに、土地の使用料として毎月「地代」を支払います。

  • 「車の手放し」で地代を相殺: 僕の場合、都内に越してくるタイミングで車を手放しました。 車の維持費(ローン、駐車場代、保険など)で浮いた月々約5万円が、そのままこの地代やローン増額分の支払いに充てられる計算です。

「土地が自分のものでない」ことに抵抗を感じるパパも多いかもしれませんが、都心に現実的な予算で住み、かつ資産価値を維持するには非常に合理的な仕組みだと、実際に住んでみて確信しています。

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売却益2000万をあえて温存する「フルローン戦略」

今回の住み替えにおいて、最も「臆病」でありながら「賢明」だった自負しているのが、7,000万円というフルローンの組み方です。

流山おおたかの森の自宅は、運良く5,500万円で売却できました。 購入時より1,500万円のプラスになり、ローン残債を完済しても手元には2,000万円を超える現金が残りました。

通常なら、これを新居の頭金に入れて借入を減らします。しかし、僕はあえて1円も頭金に入れず、フルローンを組みました

なぜ「現金」を減らしてはいけないのか

理由はシンプルで、「現金は最強の保険である」と考えたからです。

  1. 教育費の「聖域」を守る: 文京区は「3S1K」と呼ばれるブランド公立小学校が集まり、中学受験率が極めて高いエリアです。 長男が私立中学へ進むことを考えると、学費や塾代として2,000万円のキャッシュが口座にあることは、何物にも代えがたい精神安定剤になります。

  2. 団体信用生命保険(団信)の活用: 住宅ローンをあえて大きく借りることは、僕という大黒柱に万が一のことがあった際の「生命保険」になります。 もし僕が死ねばローンは消え、家族には文京区の家と2,000万円の現金が丸々残ります。

  3. 金利差を利用した資産運用: 現在の住宅ローンは超低金利です。 1%以下の金利で借りたお金を、新NISAなどで全世界株式(オルカン)などの投資に回せば、長期的には金利以上のリターンが期待できます。

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資金計画の陰に潜む「見えないコスト」の存在

最後に、資金計画表には現れない、けれど必ず発生する予備費についても触れておきます。 これを無視すると、せっかくの都内ライフの出だしが苦しくなります。

  • 引越しの「都内特別ルール」: 流山から文京区への引越しでは、道が狭いことから「ピストン輸送(2トントラックへの積み替え)」や、階段から荷物が入らないための「大窓からの吊り上げ」が必要になりました。 これだけで当初の見積もりから数万円の追加費用が発生しました。

  • 家電の買い替え(サイズ問題): 15坪の狭小住宅には、郊外で使っていた大型ドラム式洗濯機が入らないことがあります。 我が家も浴室乾燥機をフル活用する生活へとシフトするための買い替えが発生しました。

  • 税金の「還付」を忘れない: 一方で、今回のように利益が出た売却では、「3,000万円の特別控除」という特例を使えば、売却益への所得税をゼロにできます。 これを確定申告で正しく申請することで、数百万単位の納税を免れることができました。

まとめ:住み替えは「理想」を「数字」に落とし込む作業

「都内で家を買う」というハードルは高く感じるかもしれません。でも、一つ一つの項目を冷静に洗い出し、借地権のような制度や、低金利を活かしたフルローン戦略を組み合わせれば、僕のような一般的なパパでも、文京区での生活は十分に手が届くものです。

一番怖いのは、自分の家の資産価値を知らないまま「無理だ」と思い込んでしまうこと

まずは今の家がいくらで売れるかを査定し、自分たちの「現在地」を知ることから始めてみてください。それが、僕と同じように「後悔のない住み替え」を実現するための第一歩になるはずです。

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