こんにちは。文京区在住の歯科技工士、文京ライフです。
今回は、僕たちが流山おおたかの森から文京区へ引っ越す際、もっとも肝を冷やした「お金」の話をしようと思います。 これから都内への住み替えを検討している方、特に「今の家、いくらで売れるんだろう?」とぼんやり考えている方に、僕の恥ずかしい失敗未遂を共有します。
正直、これを書くのは少し恥ずかしいのですが、もしあの時、僕がとっさの嘘をついていなかったら……今頃、文京区での生活は破綻していたかもしれません。 それくらい、無知というのは恐ろしいものです。
「家は中古品」という、真面目すぎる思い込み
時計の針を少し戻します。 2021年、僕たちが長年住んだ流山おおたかの森の戸建てを売却しようと決めた時のことです。
家を買ったのは2009年。当時は駅周辺もまだ開発途中で、のどかな風景が広がっていました。 価格は約4000万円。40坪の4LDKという、子育てには理想的な環境でした。
それから約12年。 小学生の子供たちが走り回り、壁には傷がつき、外壁もうっすらと苔むしているような状態でした。「新築ピカピカ」だった我が家も、立派な「中古住宅」になっていました。
さて、いざ売却査定を申し込もうとPCに向かった時、ある入力項目で手が止まりました。 『売却希望価格』 です。
皆さんは、自分の家がいま幾らだと思いますか?
当時の僕は、完全に「フリーマーケット感覚」でした。 4000万円で買ったものを、10年以上使い倒したわけです。洋服や車と同じで、当然価値は下がっているものだと思い込んでいました。 むしろ、買った時と同じ値段で売ろうなんて図々しい、とすら思っていたんです。
「うーん、4000万で買って、12年住んだから……減価償却してこれくらいかな」
僕が入力フォームに打ち込んだ数字は、「2800万円」でした。
これなら、すぐに買い手がつくだろう。そんな軽い気持ちでした。
不動産屋の沈黙と、起死回生の「嘘」
一括査定サイトに登録してすぐ、数社の不動産会社から連絡が来ました。 そのうちの一社と電話で話していた時のことです。
担当者の方と話していると、受話器の向こうから微妙な空気を感じました。 言葉には出されませんでしたが、「え? 2800万でいいんですか?」というような、驚きと戸惑いが入り混じったような気配です。
(あれ? なにかおかしいぞ?)
その瞬間、僕の脳内で警報が鳴りました。 もしかして、安すぎたのか? おおたかの森の人気が上がっているとは聞いていたけれど、まさか……。
焦った僕は、次の瞬間、とんでもない嘘をつきました。
「あ、すみません! さっきの希望額、入力間違いです。本当は『6000万円』です」
2800万円と入力しておきながら、倍以上の6000万円だと訂正したのです。心臓はバクバクでした。 「は? 何言ってるんですかこの素人は」と鼻で笑われるかもしれない。そう思って身構えました。
しかし、電話口の担当者の反応は意外なものでした。
「あ、6000万円ですね。なるほど、そのあたりですよね。承知しました」
……え? 通用した? そのあたり、ってことは、6000万円でも「あり得る」金額なの?
電話を切った後、僕は冷や汗が止まりませんでした。
「2700万円」をドブに捨てるところだった
結果をお伝えします。 最終的に、僕たちの家は5500万円で売却できました。
もし、僕があのまま「2800万円で売りたいです」と言い続けていたらどうなっていたでしょうか。 おそらく、親切な不動産屋さんなら止めてくれたかもしれません。 でも、もしノルマに追われている営業マンや、安く買い叩いて転売しようとする業者に当たっていたら?
「お客様の希望通り、2800万円ですぐに買い手がつきそうですよ!」 なんて言われて、トントン拍子に話が進んでいたかもしれません。
5500万円引く2800万円。 その差額は、2700万円です。
2700万円ですよ? 子供二人の大学までの学費が賄える金額です。 あるいは、老後の資金として十分すぎる金額です。 僕のような一般的なサラリーマン家庭にとって、一生かけて貯めるような大金です。
それを、単なる「思い込み」と「リサーチ不足」で失うところだったのです。 そう考えると、今でもゾッとします。
家を「古着」と同じ感覚で売ってはいけない
なぜこんなミスを犯しかけたのか。 それは、僕の中に「家は消耗品」という意識が強すぎたからです。
自分の住んでいる家は、生活感に溢れています。 フローリングの傷、クロスの剥がれ、水回りの使用感。 毎日見ているからこそ、「こんなにボロいのに高く売れるわけがない」と卑下してしまうのです。
でも、不動産市場は違います。 特に「流山おおたかの森」のような人気エリアでは、建物の古さ以上に「土地の価値」や「エリアのブランド力」が価格を押し上げます。 僕たちが住んでいた12年の間に、街の価値は僕の想像を遥かに超えて上昇していたのです。
(※僕たちがこの街を離れた理由については、こちらの記事で詳しく書いています)
これから売却を考えるパパさんへ
都内への住み替えを検討しているけれど、資金面で不安を感じているパパさん。 もしかしたら、あなたがいま住んでいるその家は、あなたが思っている以上の「資産」かもしれません。
僕からのアドバイスは3つです。
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自分の感覚で値付けをしない 「これくらいかな」という謙虚さは、不動産売却においては命取りです。
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事前に周辺相場をリサーチする 今はSUUMOやHOME’Sなどのサイトで、近隣の売り出し価格がすぐに見られます。同じような築年数、広さの家がいくらで出ているか、必ずチェックしてください。AI査定などのツールを使うのも有効です。
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「査定=売却」ではないと知る 査定に出したからといって、すぐに売らなければならないわけではありません。まずは「自分の資産価値を知る」ために、プロの目で見てもらうことが大切です。
僕の場合、売却益が出たおかげで、無理のないローン設計ができました。 もし2800万円で売っていたら、今の文京区ライフは間違いなく実現していません。
家の売却は、多くの人にとって一生に一度あるかないかの大イベントです。 だからこそ、無知なまま戦場に出ないでください。 「資産価値」という武器を正しく把握して、理想の住み替えを実現してくださいね。
僕のような冷や汗を、皆さんがかかなくて済むことを祈っています。
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