こんにちは。文京区在住の歯科技工士、文京ライフです。
都内への住み替えを検討し始めたとき、多くのお父さんたちが密かに抱える「恐怖」があります。 それは、「自分の部屋がなくなる(あるいは極端に狭くなる)」ことではないでしょうか?
郊外の広い戸建てなら当たり前のように確保されていた書斎や個室。それが都内の狭小住宅となると、どうしても家族のスペースが優先され、パパの居場所は後回しになりがちです。
「せっかく都内に引っ越しても、家の中で肩身の狭い思いをするのは嫌だなぁ……」 そんなふうに足踏みしてしまう気持ち、痛いほどよく分かります。
実は僕自身、約12年住んだ流山おおたかの森の40坪の家から、文京区のコンパクトな3階建てに引っ越す際、自分の部屋は「7畳の洋室」から「4畳の納戸」へと劇的にサイズダウンしました。
正直、引っ越す前は不安でした。 「4畳って、もはや部屋じゃないんじゃないか?」 「荷物は入りきるのか?」 「息が詰まるような生活になるんじゃないか?」
しかし、実際に住んでみて4年。 意外に思われるかもしれませんが、僕は今の「4畳の納戸」の方が、以前の「7畳の個室」よりも圧倒的に快適だと感じています。
なぜ広さを捨てて、今の満足感を得ることができたのか。 今回は、スペックダウンしたはずの書斎が、逆に僕のライフスタイルを豊かにしてくれた実体験をお話しします。
これから都内への住み替えを検討している方の、ちょっとした勇気になれば嬉しいです。
なお、僕がなぜ住み慣れた流山を離れて文京区へ来たのか、その経緯については過去の記事で詳しく書いています。
建築基準法上は「納戸」。4畳の現実と工夫
現在、僕に割り当てられている部屋は、広さ約4畳。 日当たりが悪いため、建築基準法上は「居室」として認められず、間取り図には「サービスルーム(納戸)」と記載されていた部屋です。
以前の流山の家では、日当たりの良い2階に7畳の自分専用の部屋がありました。 シングルベッドを置き、大きめのL字デスクを置き、壁一面に本棚を置いても、まだ床でストレッチができるくらいの余裕がありました。
それに比べると、今の部屋はまさに「コックピット」です。 入居当初、この狭さをどう攻略するか悩みましたが、僕は思い切ってある決断をしました。
それは、「ベッドを捨てる」ことです。
4畳の部屋にベッドを置いてしまうと、それだけで部屋の大部分が埋まってしまいます。そこで僕は、ベッドの代わりに「すのこ型の除湿マット」と「布団」を採用しました。
朝起きたら、布団を畳んで壁に立てかける。 そうすると、4畳の空間がまるまるフリースペースになります。 部屋にある家具は、仕事や読書をするためのコンパクトなデスクと、椅子が一脚だけ。
「狭くて不便じゃないの?」と聞かれることもありますが、これが全くそんなことはないんです。
よく思い出してみると、流山の7畳の部屋にいた頃、僕はその広さを有効活用していたかというと、決してそうではありませんでした。 広いからといって、部屋の中を歩き回るわけでもない。結局はデスクの前か、ベッドの上か、定位置に座っている時間がほとんどでした。
今の4畳の部屋は、椅子に座ったまま手を伸ばせば、必要な資料にも、飲み物にも、充電器にも手が届きます。 無駄な動線がない分、むしろ機能的だとさえ感じています。
広さという「余白」は、必ずしも豊かさには直結しない。 これは、狭小住宅に住んでみて初めて気づいた、大きな発見でした。
狭いからこそ生まれた「清潔」という習慣
もう一つ、狭い部屋になってから劇的に変わったことがあります。 それは、「掃除の習慣」です。
お恥ずかしい話ですが、7畳の部屋を使っていた頃は、掃除がおろそかになりがちでした。 床面積が広いと、部屋の隅にホコリが溜まっていても「まあ、週末にまとめてやればいいか」と見て見ぬふりをしてしまう。ルンバにお任せして、自分ではあまり手を動かさないこともありました。
ところが、4畳の部屋で布団生活をしていると、そうはいきません。 毎朝布団を畳むとき、フローリングが自分の目の高さに来ます。 そうすると、髪の毛一本、小さなホコリ一つが、ものすごく目立つんです。
「あ、汚れてるな」 そう気づいた瞬間、部屋が狭いので、サッと粘着カーペットクリーナー(コロコロ)やハンディモップで拭き取るのに1分もかかりません。
この「気づいたらすぐやる」というサイクルが、狭いがゆえに自然と身につきました。
結果として、僕の部屋は以前よりも常に清潔な状態が保たれています。 視界に入るノイズが減ったことで、仕事や読書への集中力も上がりました。
「整理整頓しなきゃ」と気負わなくても、手が届く範囲にモノがあるから、使ったらすぐ戻す。汚れたらすぐ拭く。 このシンプルな動作が習慣化されたことで、精神的なストレスが驚くほど減ったのです。
「パパの部屋はいつも散らかっている」なんて家族に言われていた僕が、今では家の中で一番きれい好きになったかもしれません(笑)。
文京区という「街」そのものを書斎にする
家の中のスペースが限られている分、僕の意識は自然と「家の外」に向くようになりました。 これが、都内・文京区への住み替えで得られた最大のメリットかもしれません。
流山に住んでいた頃は、家が広くて快適すぎたため、休日はどうしても家の中に引きこもりがちでした。 もちろんそれはそれで幸せな時間でしたが、生活が家の中だけで完結してしまい、刺激が少ないのも事実でした。
文京区に引っ越してからは、「家は体を休める場所(スリーピングスペース)」と割り切り、作業や読書、インプットの時間には「街」を使うようになりました。
文京区は「文教地区」と呼ばれるだけあって、学びを促進する環境が街全体に整っています。
徒歩圏内には、落ち着いた雰囲気の個人経営のカフェがたくさんあります。 チェーン店も便利ですが、マスターのこだわりが詰まったカフェでコーヒーを飲みながら本を開くと、自宅の書斎以上に没頭できます。
また、区立図書館や大学図書館も充実していて、アカデミックな空気が街全体に漂っています。 週末、ふらっと図書館へ行き、静寂の中で調べ物をする。疲れたら近くの公園で少し歩く。
まるで、文京区という街全体が、拡張された僕の「書斎」になったような感覚です。
家の中の4畳は、あくまで自分をメンテナンスするためのコックピット。 そして一歩外に出れば、無限に広がるライブラリーとカフェスペースがある。
この「家」と「街」の役割分担ができたことで、僕の生活には以前よりもメリハリが生まれました。 ずっと家に籠もっているよりも、外の空気に触れながら思考を整理するほうが、新しいアイデアも浮かびやすい気がしています。
まとめ
「都内への住み替え=狭さへの我慢」 引っ越す前は僕もそう思っていました。
でも今は、「広さを手放したことで、身軽さと機能性を手に入れた」と感じています。
4畳の納戸でも、工夫次第で快適な「自分だけの城」は作れます。 むしろ、限られたスペースだからこそ、本当に必要なものだけを選び取る力がつき、思考もクリアになります。
そして、狭くなった分、街に出てその土地の魅力を使い倒す。 そんなライフスタイルへの転換こそが、都内狭小住宅の醍醐味なのかもしれません。
もし、かつての僕のように「今の広い家を手放すのが惜しい」「都内に行きたいけど、狭い家で暮らせるか不安」と悩んでいるパパがいたら、自信を持って言いたいです。
「案外、なんとかなります。むしろ、今より楽しくなるかもしれませんよ」と。
もちろん、住み替えには「気持ち」だけでなく「資金計画」も重要です。 僕たちが流山の家を売却し、どのように資金を捻出したのか。そのリアルな数字の話については、また別の記事で詳しく書いていますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。 「いいね!」と思っていただけたら、下のバナーをポチッと押していただけると執筆の励みになります!
コメント