こんにちは。文京区在住の歯科技工士、文京ライフです。
かつては千葉県流山市、いわゆる「流山おおたかの森」エリアの戸建てに住んでいました。子育て世代に大人気のあの街で、僕も家族と一緒に穏やかな日々を過ごしていました。しかし、子供が小学校高学年になり、中学受験を意識し始めたことをきっかけに、僕たちは大きな決断を下しました。住み慣れた街を離れ、都内・文京区への住み替えです。
住み替えにあたって、避けて通れないのが「お金」の話です。特に、元の家を売却して得た利益をどう扱うか。多くの人は「次の家の頭金に入れて、ローンを減らす」という選択をするでしょう。しかし、僕はあえて「フルローン」を組み、手元に残った2,000数百万という現金を新NISAでの運用に回すという道を選びました。
これはあくまで僕個人が、家族の将来と自分のメンタルを守るために考え抜いた「一つの事例」に過ぎません。投資に絶対はありませんが、「貯金ほぼゼロ」の状態から、なぜ僕がそんな大胆な戦略を取るに至ったのか。2026年現在の最新の金利情勢も踏まえつつ、その葛藤のプロセスをお話しします。
「貯金ほぼ0」からの大逆転。住宅売却がもたらした2,000万円という武器
数年前までの僕は、お恥ずかしながら貯金がほぼ「0」に近い状態でした。 歯科技工士という仕事は、ミリ単位の精度が求められるやりがいの大きな技術職ですが、決して「高給取り」と言える職業ではありません。日々の生活と子育てに追われ、将来への蓄えを満足に作れないまま、時間だけが過ぎていく……そんな焦燥感を常に抱えていました。
そんな僕にとって、唯一の希望となったのが「流山おおたかの森の戸建て」でした。 購入当時はこれほどまでの値上がりを期待していたわけではありませんが、いざ売却査定に出してみると、驚くべき結果が返ってきました。数年間の居住を経て、住宅ローンの残債を大幅に上回る価格で売却できることがわかったのです。
最終的に手元に残ったのは、2,000数百万という大金でした。 通帳に刻まれたその数字を見たとき、僕は正直、手が震えました。今まで見たこともないような金額が、僕という個人の口座にある。この「住宅売却益」こそが、僕たちが文京区で新たな生活をスタートさせ、さらに将来の不安を解消するための、唯一にして最大の武器になったのです。

なぜ頭金に入れなかったのか?「フルローン」を選択した2つの理由
文京区で一戸建てを購入する際、不動産会社の担当者からも、周囲の知人からも「売却益を頭金に入れれば、月々の支払いが楽になりますよ」とアドバイスされました。確かに、借入額を2,000万円減らせば、金利負担も減り、心理的な重圧も軽くなるでしょう。
しかし、僕はあえてフルローンという選択をしました。理由は2つあります。
① 中学受験という「逃げられない出費」への備え
一つ目は、切実な教育費の問題です。僕たちが文京区へ移り住んだ最大の目的は、子供の教育環境を整えることでした。文京区は「教育の森」とも呼ばれるほど中学受験が盛んな地域です。塾代、受験料、そして私立中学校に入学した後の学費……。これから数年間で、数百万単位の現金が確実に消えていくことが目に見えていました。
もし、売却益をすべて住宅ローンの頭金に充ててしまっていたらどうなっていたか。家という「資産」は手に入りますが、手元の「現金」は再びゼロになります。都内の高い生活費と、私立中学の学費を月々の給与だけで賄うのは、今の僕の年収では「普通に考えると無理」な状況でした。キャッシュを温存することは、家族の未来を守るための防衛策だったのです。
② 精神衛生を保つための「現金」の魔力
二つ目は、僕自身のメンタル管理です。「貯金ゼロ」だった時代、僕は常に薄氷を踏むような思いで生きていました。急な病気、仕事のトラブル、何か一つでも狂えば生活が破綻する……その恐怖心は、知らず知らずのうちに僕の表情を暗くしていました。
2,000万円という現金を手元に残したことで、僕の心には劇的な変化が訪れました。「何があっても、このお金があれば数年間は家族を養える」。この圧倒的な安心感は、仕事への集中力を高め、生活に「ゆとり」をもたらしてくれました。フルローンによる月々の支払いは確かに安くはありませんが、それ以上に「現金を保有している」という事実が、40代パパの精神的な支えになったのです。
「金利がある世界」での選択。0.3%の銀行か、NISAか。
2026年現在、銀行の金利を取り巻く環境は大きく変わりました。 これを書いている2026年1月、メガバンクの普通預金金利は0.2%。さらに来月、2026年2月からは0.3%への引き上げが発表されています。かつての「ゼロ金利時代」に比べれば、銀行にお金を置いておくメリットは確かに増えました。
しかし、冷静に計算してみました。 2,000万円を0.3%で1年間預けたとして、利息は**年間6万円(税引き前なら約4.8万円)**です。これでも「貯金ゼロ」だった頃の僕からすれば大金ですが、都内の物価上昇や中学受験の費用を考えると、これだけで資産を守れるとは到底思えませんでした。
そこで僕が改めて確信したのは、「金利が上がっている今だからこそ、それ以上の成長が期待できる新NISAを活用すべき」という考えでした。 証券会社は、以前から利用していた「住信SBIネット銀行」と連携がスムーズで、手数料も圧倒的に安いSBI証券を選択。銀行の普通預金には「生活防衛費」として数年分の現金を残し、それ以外を積極的に運用に回すことにしたのです。
【実録】住宅売却益を「新NISA」に投じた結果
ここで、僕が実際に運用している新NISAの状況を公開します。

画像:僕の新NISA運用成績(SBI証券のマイページ画面) ※短期間の変動に一喜一憂せず、淡々と積み立てを続けた結果が数字として表れています。
このグラフを見ていただくとわかる通り、運用開始当初は小さな波がありましたが、時間を味方につけることで着実に資産が育っています。銀行に預けていたら得られなかった「複利の恩恵」を、今まさに肌で感じているところです。
もちろん、投資ですから資産が減る時期もあります。でも、手元に「生活防衛費」としての現金をしっかり残しているからこそ、僕は暴落時でもパニックにならずに保有し続けることができるようになりました。
【失敗談】10万円のマイナスで「狼狽売り」したあの日の自分へ
今でこそ戦略的に運用していますが、最初からうまくいったわけではありません。これは僕が実際に経験した、情けない失敗談です。
新NISAのスタート当初、僕は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、通称オルカンを10万円分購入しました。ところが、数日後に画面を見ると、わずかに値下がりして「9万円」になっていました。
たった1万円の含み損。でも、投資経験の浅い僕にとっては大事件でした。「このまま2,000万円全部なくなったらどうしよう」という恐怖に負け、僕はすぐに売却してしまったのです。歯科技工の世界では1ミリの狂いも許されないため、その性格が災いして、投資の「上下する数字」に耐性がなかったのです。
しかし、半年ほど投資から離れて冷静に考えたとき、気づきました。「積立投資は波の上下があって当たり前」「長期間保有することで初めて恩恵が受けられる」のだと。新NISAという頑丈な船に乗っている以上、多少の荒波に一喜一憂して船を降りてしまうのが、一番の損だと理解したのです。
現在の運用戦略:年間360万円の枠を「最速」で埋める理由
この教訓を経て、現在の僕は迷いなく以下の戦略を実行しています。
- 毎月の積立投資: 10万円(つみたて投資枠)
- 成長投資枠の活用: 年間240万円を年初に投入
新NISAの生涯投資枠は最大1,800万円。年間で最大360万円まで投資可能です。僕は、住宅売却で得たキャッシュという「元手」を使い、最短の5年で1,800万円の枠を埋め切ることを目標にしています。
なぜこれほど急ぐのか。それは、複利の効果を最大限に引き出すためです。銀行金利が0.3%に上がったとはいえ、歴史的に見て年利数%の成長が期待できるインデックス投資の期待値には及びません。なるべく早い段階で大きな資金を投じる。これが、僕のような一般家庭のパパが、将来の教育費や老後資金を確保するための、最も再現性の高い方法だと(あくまで個人の判断として)信じているからです。
まとめ:住み替えは「家を変えること」ではなく「資産を組み替えること」
流山おおたかの森から文京区への住み替え。それは僕にとって、単なる引越しではありませんでした。 家という「固定された資産」を売却して現金化し、それを「教育費」と「新NISA」という未来に向けた流動的な資産へ組み替えるプロセスだったのです。
現在は、文京区の一戸建てで、家族それぞれが自分の時間を大切にしながら過ごしています。フルローンの支払いは確かにありますが、新NISAで育っている資産と、手元にある現金の安心感が、僕の背中を支えてくれています。
もちろん、これは僕のケースであり、すべての人にフルローンや投資を勧めるわけではありません。住宅ローンを減らして月々の固定費を下げる方が、精神的に安定する方もいるでしょう。
でも、もしあなたが「今の家を売るのがもったいない」「住み替えたいけれどお金が心配」と悩んでいるなら、一度、ご自身の家の「今の価値」を正しく把握してみてください。その査定額が、あなたの人生の選択肢を広げる大きな武器になるかもしれません。
投資という海は時に荒れます。でも、新NISAという船を信じて、目的地である「家族の幸せ」を見据え、一歩踏み出してみませんか。

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