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  • 【通勤と住み替え】往復3時間の満員電車から離脱する。住居費の差額は、40代が働き続けるための「必要経費」

    こんにちは。文京区在住の歯科技工士、文京ライフです。

    40代になってから、働くこと自体に体力と気力を削られる感覚が年々強くなってきました。 20代、30代の頃のように無理が効かない。週末に休んでも疲れが抜けきらない。 できることならのんびりしたいけれど、生活がある以上そうもいかないのが現実です。

    そんな中で、千葉県の流山おおたかの森から文京区へ引っ越した今回の住み替えは、結果的に「通勤時間を短縮して、長く働き続けるための投資」としては非常に合理的だったと感じています。

    今日は、通勤の負担軽減と住宅コスト(ローン返済)のバランスについて、40代の実感を少し詳しく書いてみます。

    仕事前に消耗していた「往復3時間」の真実

    以前住んでいた流山おおたかの森は、住環境としては申し分ない街でした。 ただ、都内へ通勤する身としては、つくばエクスプレス(TX)の混雑と所要時間は無視できない負担でした。

    利用したことがある方はご存知かと思いますが、TXの朝のラッシュは凄まじいです。 これから仕事だというのに、その前に満員電車で身動きが取れない状態で長時間揺られる。スマホを取り出すことすら躊躇われるほどの圧迫感の中で、ただひたすら到着を待つ時間は、単なる移動ではなく「苦行」に近いものがありました。

    ドアtoドアで片道1時間半、往復で3時間。 仕事をするための体力と精神力が、始業前の移動だけで削がれていく。 「ただでさえ仕事は疲れるのに、移動でここまで消耗する必要があるのか」と、吊革に捕まりながら常々感じていたのが正直なところです。

    「子供のため」というきっかけと、通勤時間の激減

    引っ越しを決めた直接のきっかけは、子供の中学受験でした。 塾や志望校へのアクセスを良くしたい、という子供のための選択です。

    ですが実際に住んでみて一番恩恵を受けたのは、実は通勤している私自身だったかもしれません。

    文京区に越してきて、通勤時間は片道30分になりました。往復でも1時間です。 山手線の内側なので、地下鉄もバスも選べますし、シェアサイクルを使ったり、少し頑張れば徒歩で帰宅するという選択肢も持てます。

    以前は「電車が止まったら帰れない」という不安が常に頭の片隅にありましたが、今は「最悪、歩いて帰ればいい」と思える。 「逃げ場のない満員電車に毎日3時間拘束される」という強制力がなくなるだけで、精神的な重圧は半分以下になりました。

    年間「20日分」の自由を取り戻す

    通勤時間が往復3時間から1時間になったことで、1日2時間の時間が浮きました。 これを年間に換算してみると、結構な数字になります。

    平日20日働くとすると、月40時間の短縮。 年間だと480時間。日数に換算すると、丸20日間です。

    1年のうち20日間を、揺れる満員電車の中で過ごすか、自宅で体を休めたり自分のために使うか。 この差は、残りの人生の時間を考えるとあまりに大きいと感じました。

    コスト増で「時間」と「体力」を守る

    もちろん、都内の物件相場は高いです。住宅ローンなどの毎月の固定費は、流山時代より確実に上がりました。 家計への負担がないと言えば嘘になります。

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    しかし、この増額分で「毎日2時間の自由」と「身体的な苦痛からの解放」を得られたと考えれば、決して悪い選択ではありません。

    40代になり、健康こそが最大の資本だと痛感する時期です。 毎日自分を痛めつけるような通勤を続けて体を壊すリスクや、精神的に摩耗してしまうリスクを考えれば、住居への出費は贅沢ではなく、働き続けるための「メンテナンス費」や「必要経費」のようなものだと捉えています。

    まとめ

    もし、今の通勤時間が辛くて、仕事に行くこと自体が億劫になっている同世代の方がいたら。 「子供の教育環境」を理由にしてでも、一度都内の物件を見てみる価値はあると思います。

    また、今の家がいくらになるかを知るだけでも見える景色が変わってくると思います。

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    職場までの物理的な距離を縮めることは、今の私たちにとって、数少ない「生活の質を確実に上げる手段」です。 支払いは安くないですが、自分の心身を守るための保険だと思えば、納得のいく選択になるはずです。

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  • 【文京区の教育】公立なのにブランド?「3S1K」の実態と、クラスの半分が受験する「静かなる熱狂」

    こんにちは。文京区在住の歯科技工士、文京ライフです。

    これまでの記事で、「広さを捨ててでも、子供の教育環境(通学時間)を選んで都内へ来た」というお話をしてきました。

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    今日は、その核心部分である「文京区の教育環境」について、実際に住んでみて感じた肌感覚をお話しします。東京大学

    文京区への引越しを検討する際、必ず耳にする謎の暗号があります。 それが「3S1K」です。

    今回は、この「公立小学校のブランド化」という不思議な現象と、住んでみて初めて知った「意外なクラスメイトたち」について、実体験を交えてレポートします。

    文京区のブランド小学校「3S1K」とは?

    まず、教育熱心な親御さんの間で囁かれる「3S1K」とは何か。これは文京区内の特定の名門公立小学校4校の頭文字をとったものです。

    • S:誠之(せいし)小学校
    • S:千駄木(せんだぎ)小学校
    • S:昭和(しょうわ)小学校
    • K:窪町(くぼまち)小学校

    これらは私立ではなく、あくまで「公立」の小学校です。 しかし、歴史が古く、伝統的に教育熱心な家庭が多く集まるエリアにあるため、「この学区に通わせるために引っ越してくる」という層が後を絶ちません。(まさに我が家も似たようなものです)

    「6年生の秋、教室から人が消える」衝撃

    実際に住んでみて、最も衝撃を受けたのは「中学受験率」の高さです。

    以前住んでいた流山おおたかの森も教育熱心な街でしたが、文京区は桁が違いました。肌感覚ですが、クラスの半分、多い学校ではそれ以上が私立中学を受験します。

    特に驚いたエピソードがあります。 6年生の10月、11月頃になると、クラスの生徒がポツポツと減り始めるのです。そして1月、2月の受験本番シーズンになると、さらに多くの児童が学校を休みます。

    「風邪をうつされたくない」「最後の追い込みをしたい」 そんな理由で、受験組が学校に来なくなる現象が、ここではある種「当たり前の光景」として受け入れられています。先生方もそれを静かに見守っている雰囲気に、最初はカルチャーショックを受けました。

    予想外だった「グローバルな同級生たち」

    もう一つ、住んでみて驚いたのが「クラスの多国籍化」です。

    特に目立つのが、中国出身のご家庭のお子さんたち。クラスに必ず数人はいる印象です。 「言葉の壁とかあるのかな?」と最初は思いましたが、話を聞いてみると、ご両親はビジネスで来日されている富裕層や高度人材の方が多く、日本語もペラペラ。何より日本人以上に教育熱心なんです。

    彼らは「日本の教育の質の高さ」や「文京区の治安の良さ」を徹底的にリサーチして、あえてこのエリアを選んで住んでいるそうです。

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    算数がめちゃくちゃ得意だったり、すでに英語が完璧だったり。 「3S1K」ブランドは、もはや国内だけでなく、海外の教育ママ・パパからも注目されているのだと実感しました。

    子供にとっても、公立にいながら「優秀なグローバルな友達」ができるのは、非常に良い刺激になっています。

    郊外の「お祭り騒ぎ」vs 文京区の「静かなる熱狂」

    以前のおおたかの森では、駅前に大手塾がドーンと構え、子供たちが同じリュックを背負って吸い込まれていく「お祭り騒ぎ」のような熱気がありました。

    しかし、文京区は少し様子が違います。 大手塾だけでなく、個人塾も街中に点在しており、子供たちはそれぞれの目的地へ分散していきます。親同士の「探り合い」もあまりありません。

    「あの子も受験するし、うちもする。それが普通でしょ?」 そんな空気感です。

    御三家(開成・麻布・桜蔭)に受かるような子が、どのクラスにも普通に数人はいる。だからこそ、変に気負うことなく、生活の一部として淡々と、しかし高いレベルで受験に取り組んでいる印象を受けました。

    まとめ:環境を買う、という意味

    「3S1K」というブランド自体に魔法があるわけではありません。 ただ、そこに集まる「教育を大切にする家庭(日本人も海外の方も含めて)」の集合体が、子供たちに「勉強するのは当たり前」という基準を作ってくれています。

    朱に交われば赤くなる。 子供の環境を変えるために引越しという選択をしましたが、この「周りの友達の目線が高い」という環境こそが、狭い家や高い家賃と引き換えに手に入れた一番の資産なのかもしれません。

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  • 【維持費月5万が消滅】「車必須」の郊外から都内へ移住して、僕が手に入れた「身軽さ」という資産

    こんにちは。文京区在住の歯科技工士、文京ライフです。

    前回は、40坪から15坪への「住まいのダウンサイズ(狭小住宅)」について書きました。 今回は、家と一緒に手放した「もう一つの大きなモノ」についてお話しします。

    そう、「車」です。

    流山おおたかの森時代は、生活の要(かなめ)だった愛車。それを手放して都内で暮らす現在、僕の財布と心境にどんな変化が訪れたのか。 結論から言うと、「月5万円の節約」と「運転ストレスからの解放」でした。

    今日は、車を手放したリアルな収支と、意外と快適な「持たない生活」について記録します。

    「車がないと詰む」郊外ライフの日々

    まず、以前の生活を振り返ります。 流山おおたかの森に住んでいた頃、車は「あると便利」ではなく「ないと生活が成立しない」必須アイテムでした。

    周りを見渡しても、車を持っていない家庭はほぼゼロ。 「今日は天気がいいから歩こうか」なんて選択肢は、荷物の量と移動距離を考えると現実的ではありませんでした。あの環境では、車こそが僕たちの「足」であり、生活圏を広げる魔法の道具だったのです。

    都内移住で直面した「物理的」な限界

    そんな僕たちが文京区へ引っ越す際、車を手放した理由はシンプルです。 「置く場所がなかったから」です。

    前回の記事でも書きましたが、都内の敷地は猫の額ほど。

    駐車場を確保しようとすれば、それだけで家が一部屋減るような感覚です。

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    それに、都内の道はとにかく狭い。「ここで対向車が来たら…」と考えるだけで冷や汗が出るような路地も多く、運転自体がストレスになりそうだと感じていました。

    「不便になる覚悟」を決めての手放しでしたが、住んでみてその不安は良い意味で裏切られました。

    歯科技工士が計算する「月5万円」のインパク

    さて、ここからは少しお金の話をします。 車を手放したことで、家計にどれだけのインパクトがあったのか。ざっくりと当時の維持費を計算してみました。

    これらを月割りにならすと、なんと月々約5万円。年間で60万円もの固定費がかかっていたことになります。

    都内に引っ越して、この5万円がまるまる浮きました。 これは大きいです。都内の物価や家賃は確かに高いですが、この「浮いた5万円」のおかげで、可処分所得(自由に使えるお金)はむしろ増えた感覚さえあります。浮いた分は、日々の生活費の補填や、将来への投資(NISAなど)に回しています。

    「所有」から「利用」へ。都内の移動ハック

    「でも、移動はどうしてるの? 不便じゃない?」 よく聞かれますが、現在の主な移動手段は以下の3つです。

    • 公共交通機関(最強) 文京区はとにかく駅が多い。徒歩10分圏内に複数の路線の駅があり、どこへ行くにも電車で十分です。
    • シェアサイクル(ドコモ・LUUP) これが意外と便利です。山手線の内側ならポート(駐輪場)が無数にあり、「行きは自転車、帰りは雨だから電車」といった柔軟な使い方ができます。電動なので坂道も楽々です。
    • カーシェア・タクシー 雨の日や、重い荷物を運ぶ時だけ利用します。

    もちろん、「あー、今ここに車があれば!」と思う瞬間はあります。特に大雨の日の買い物などはそうです。 でも、その時だけカーシェアを予約したり、タクシーを使ったりすれば解決します。「所有」しなくても、「利用」できれば問題ない。これが都内暮らしの結論です。

    最大のメリットは「心の解放」かもしれない

    お金のメリットも大きいですが、実はそれ以上に感じているのが「精神的な身軽さ」です。

    • ガソリン価格の変動に一喜一憂しなくていい
    • 5月の自動車税の通知に「うっ」とならなくていい
    • 「そろそろ洗車しなきゃ」「オイル交換しなきゃ」というタスクからの解放
    • そして何より、事故のリスクや運転の疲れがない

    「運転」という行為に使っていた脳のメモリが解放され、その分を仕事や家族との会話に使えている気がします。

    まとめ:不便さと引き換えに得た「自由」

    車は確かに便利で、楽しい乗り物です。 でも、今の僕たち家族にとって、それは「月5万円と精神的コスト」を払ってまで維持すべきものではなくなりました。

    移動手段が変われば、街の見え方も変わります。 車窓から眺めていた景色を、今は自分の足で歩きながら楽しむ。そんなスローで身軽な生活も、40代には悪くないなと感じています。

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  • 【狭小住宅の真実】40坪から15坪へ住み替え。3階建てに暮らしてわかった「後悔」と「快適さ」

    こんにちは。文京区在住の歯科技工士、文京ライフです。

    前回の記事では、土地の権利(借地権)について書きましたが、今回は「建物の広さ」について書きたいと思います。

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    数字で言うと、流山おおたかの森時代は「40坪」。 そして現在、文京区の自宅は「15坪」。

    半分以下、およそ3分の1に近いサイズダウンです。 「そんなに狭くして生活が回るのか?」「家族のストレスが溜まるのではないか?」 引っ越し前、当然ながら僕もその不安を持っていました。

    しかし住んでみて約3年。結論から言うと、この選択は「生活の最適化(アップデート)」として機能しています。 今日は、40坪から15坪へ移った我が家の「狭小住宅のリアル」を、良い面も悪い面も含めて記録しておきます。

    最初の印象と、10軒回って決めた「覚悟」

    家が建ち上がって初めて中に入った時、正直な感想は「……狭いな」でした。 今までが40坪でしたし、お風呂のサイズも半分くらいになりましたから、視覚的なショックは当然あります。

    ただ、僕にはある種の「覚悟」ができていました。 土地探しの中で10軒以上の物件を見学し、「都内のこの予算感なら、3階建て・庭なし・駐車場なしがデフォルト」という現実を嫌というほど見てきたからです。 このエリアに住む以上、物理的な広さは諦める。その代わり、通勤や通学にかかる「時間」と「利便性」を取る。 そう割り切っていたので、完成した家を見た家族が「え、全然いいじゃん!住める住める」と言ってくれた時は、拍子抜けすると同時にホッとしました。

    「リビング一点豪華主義」という戦略

    15坪という限られたリソースで、いかに快適数を最大化するか。 僕がとった戦略はシンプルで、「リビングに全てを振る」ことでした。

    • リビング: 日当たりを確保し、15畳の広さをキープ。
    • 個室(子供部屋・書斎): 4畳~5畳のミニマムサイズ。

    おおたかの森時代のような「6畳~8畳の子供部屋」はありません。 しかし、「寝る場所」と「机を置く場所」さえあれば、個室としての機能は満たせます。

    結果として、どうなったか。 個室が狭いので、子供たちが部屋にこもらなくなりました。自然と広くて明るいリビングに家族全員が集まってきます。 物理的な距離は近くなりましたが、それが「窮屈」ではなく「家族の気配」として機能している。これは嬉しい誤算でした。

    物理的な「断捨離」と、精神的な「開放」

    引っ越しは、強制的なデトックスの機会でもありました。 40坪の家には、収納が豊富なゆえに溜め込んでいた「不要なモノ」が山のようにありました。

    新居には入りませんから、捨てるしかありません。 自家用車で市が運営している廃棄場を何度も往復し、大量のストック品や使っていない家具を処分しました。 ついでに、車そのものも手放しました。都内では道も狭く、駐車場もない。車は「必需品」から「コストのかかる荷物」に変わっていたからです。

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    庭の手入れ、掃除機かけからの解放

    住んでみて実感する最大のメリットは「メンテナンス」の手間が激減したことです。

    以前は、広い庭の芝刈りや雑草取りに、夏場は毎週のように追われていました。 今は庭がありません。つまり、手入れがゼロです。 掃除も、ルンバすらいりません。フローリングワイパーがあれば、自分の手でササっと数分で終わります。

    「庭がない=可哀想」ではなく、「庭がない=メンテナンスフリー」と捉える。 浮いた時間は、子供と話したり、自分の趣味に使ったりする時間に変わりました。

    生活の「アプリ」を最適化する

    40坪から15坪への住み替え。 この体験を何かに例えるなら、スマホのOSやアプリを最適化する作業」に近い感覚があります。

    容量(家の広さ)ばかり食っていた「モノの管理」や「庭の手入れ」という重たいアプリを削除したことで、空いたメモリで「家族の時間」や「快適な暮らし」という本当に必要なアプリがサクサク動くようになった。そんな感覚です。

    もちろん、広さは贅沢ですし、憧れです。 でも、都心で生きると決めた以上、この「筋肉質な生活」も悪くないなと、3年経った今、実感しています。

     

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  • 【都内家探し】相場はまさかの1億円超え…予算6500万の僕がたどり着いた「借地権」という現実的な選択

    こんにちは。文京区在住の歯科技工士、文京ライフです。

    以前の記事で、流山おおたかの森の自宅売却について書きました。

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    予想以上に高く売れた(5500万円)こともあり、「これなら、都内の家もなんとか手が届くかもしれない」と、少し気持ちが大きくなっていたのも事実です。

    しかし、いざ東京の不動産市場という戦場に足を踏み入れると、その甘い考えは一瞬で吹き飛びました。

    今回は、僕たちが直面した「都内の相場」という現実と、そこでどう折り合いをつけ、最終的に「借地権の新築」という選択に至ったのかをお話しします。これから都内で家探しをする方の参考になれば幸いです。

    予算と現実のギャップ:20坪で1億円の世界

    まず、僕たちが探していた条件はシンプルです。 「文京区周辺、一戸建て、予算7000万円」

    千葉での感覚からすると、これだけの予算があれば、それなりに良い家が見つかるだろうと思っていました。しかし、不動産屋さんで実際の相場資料を見せてもらった時、思考が停止しました。

    「土地20坪(約66㎡)で、価格は1億円超え」

    これが、このエリアの「普通」でした。 20坪というと、車1台を停めたら1階はほとんどスペースがないくらいの広さです。それに1億円。 自分の仕事柄、ミリ単位の誤差も許さない世界で生きていますが、この桁の違いにはめまいがしました。「予算7000万」というのは決して少ない金額ではないはずですが、このエリアではスタートラインにすら立てないのです。

    予算の壁を突破する「2つの選択肢」

    それでも諦めずに情報を集めていると、予算7000万円台でも手が届く物件には、ある傾向があることがわかってきました。それが、不動産業界でいう「権利関係が特殊な物件」です。

    少し専門的な話になりますが、家探しにおける重要な「逃げ道」になる知識ですので、僕が学んだ内容を噛み砕いて整理します。

    1.再建築不可(さいけんちくふか)物件

    文字通り、「今ある建物を壊してしまうと、新しい家を建てられない土地」のことです。 文京区内でも3000万〜4000万円台という破格で出ていました。

    なぜ建てられないのか? 建築基準法には「接道義務」というルールがあります。原則として、幅4メートル以上の道路に、敷地が2メートル以上接していないといけません。災害時の避難や緊急車両の通行のためですね。このルールを満たしていない古い土地などがこれに該当します。

    価格は魅力的ですが、以下の理由から見送りました。

    • リフォーム限定: 建て替えができないため、柱などを残してフルリフォームし続けるしかない。
    • 資金面のハードル: 担保価値が低いとみなされ、住宅ローンの審査が厳しかったり、金利が高くなったりすることが多い。

    長く住み続けることを考える我が家には、少しリスクが高いと判断しました。

    2.借地権(しゃくちけん)付き物件

    こちらは、「建物は自分のものとして購入するが、土地は地主さんから借りる」という形態です。 僕たちが最終的に選んだのもこのタイプですが、一般的な「所有権」とはお金の流れが大きく異なります。

    • 初期費用が安い: 「土地を買う」わけではないので、土地の購入代金がかかりません。その分、所有権の物件相場よりも数千万円安く購入できます。
    • 税金のメリット: ここが意外と知られていないポイントです。土地の固定資産税・都市計画税は「土地の所有者」に課税されます。つまり、借地権の場合、土地部分の固定資産税を払うのは地主さんであり、僕たちではありません。(建物部分のみ支払います)
    • ランニングコスト: その代わり、土地を使わせてもらう対価として、毎月「地代」を地主さんに支払う必要があります。
    • 住宅ローン審査が厳しい:担保価値の低さや地主の承諾が必要なため一般的に所有権よりも審査基準が厳しい。また、借地権が利用できる住宅ローン金融機関も限られている。

    つまり、

    • 所有権: 高いお金で土地を買い、毎年税金を払う
    • 借地権: 安く家を買い、毎月地代を払う(税金は建物分のみ)

    「土地は絶対に自分のものにしたい」ということに特段のこだわりが無ければ、これは非常に合理的な選択だと感じました。

    僕たちが「借地権」を選んだ理由

    最終的に僕たちが決めたのは、「借地権の新築一戸建て」でした。

    • 敷地面積: 20坪弱(狭小地)
    • 価格: 約6500万円(予算内)
    • 状態: これから建つ新築

    決め手になったのは、以下の3点です。

    1. 予算内で「新築」に住めること 所有権にこだわって古い中古を買うよりも、設備の新しい新築に住めるメリットを優先しました。
    2. 「所有」より「利用」を取ったこと 今回の移住の最大の目的は「子供の教育環境(通学時間)」と「家族の時間」の確保です。土地の名義にこだわるよりも、希望するエリアで快適に暮らすことを優先しました。
    3. 地代と税金のバランス 毎月の地代はかかりますが、土地の固定資産税がかからないため、トータルの維持費で考えると許容範囲内でした。

    100点満点はないけれど

    都内での家探しは、「何かをあきらめないと、前に進めない」ということを痛感する連続でした。

    我が家の場合は、「土地の所有権」と「広さ」を手放し、代わりに「立地」と「時間」を得る選択をしました。 「借地権」と聞くと敬遠される方も多いかもしれませんが、都心で現実的に暮らすための一つの賢い選択肢だと、実際に購入してみて感じています。

    もちろん、20坪弱という土地は、千葉の40坪の家に比べると驚くほど狭いです(笑)。 次回は、そんな「狭小住宅」での実際の暮らしぶりや、狭いなりに工夫している点について書いてみたいと思います。

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  • 【査定の衝撃】4000万の家が、業者によって「2500万」にも「7000万」にもなった話。資産価値を知れば「逃げ道」ができる

     

    ミクロン単位の仕事をしている私が驚いた「不動産の精度」

    こんにちは。文京区在住の歯科技工士、文京ライフです。

    普段、僕の仕事は0.1ミリ以下の精度で歯の噛み合わせを調整することです。数字と適合がすべての世界で生きています。 しかし、今回の都内への移住にあたり、自宅(流山おおたかの森)の売却査定をして驚愕しました。

    (なぜ移住を決意したかは以下の記事をご覧ください。)

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    「A社は2500万円、B社は7000万円」

    同じ家なのに、評価額が倍以上違ったのです。 今日は、これから家の売却を考えている人はもちろん、「今の家でいいのかな」とモヤモヤしている人に向けて、「家の価値を知っておくと、人生の『逃げ道』ができて精神的に楽になるよ」というお話をします。

    売却前のスペックと「残債」のリアル

    まず、前提となる我が家の財布事情を公開します。

    都内移住を決意した時点で、ローンの残債は2000万円を切ったところでした(繰上げ返済を数回実施)。 「この家を売って、ローンを完済し、手元にいくら残るのか?」 それが、次の文京区での生活を左右する生命線でした。

    電話が鳴り止まない!一括査定の洗礼

    「とりあえず、いくらになるか知りたい」 軽い気持ちで一括査定サイトに登録した瞬間、スマホが震えました。5分もしないうちに10件、20件と着信やメールの嵐。 正直、最初は引きましたが、それだけ「流山おおたかの森」という街に需要がある証拠でもありました。

    ここから、私の「査定の常識」が覆されます。

    減価償却」の正論 vs 「市場価値」の熱狂

    僕が最も信頼していたのは、家を建ててくれたハウスメーカーでした。家の構造も一番よく分かっているはずです。 しかし、彼らの査定額は「2500万円」

    理由は減価償却です。 日本の木造住宅は、築年数とともに建物の価値がゼロに近づきます。「築12年なら、建物価値はこれくらい減って、土地代と合わせて2500万円です」という、極めて論理的かつ教科書通りの回答でした。4000万で買った家が2500万。正直ショックでした。

    しかし、他社の査定は違いました。 「6000万円いけます」「強気で7000万円狙いましょう」

    彼らが見ていたのは「建物の古さ」ではなく、「おおたかの森という街の熱狂」でした。 人口急増、駅前の開発、入居希望者の殺到。「住みたい」という人がいれば、計算上の価値なんて関係なく価格は跳ね上がる。不動産は「数値」ではなく「マッチング」なのだと痛感しました。

    終結果:5500万円で「即決」した理由

    「じゃあ7000万円で売れたの?」と聞かれると、結果は5500万円でした。 それでも4000万円で買った家が、12年住んでプラス1500万円になったのですから、投資としては大成功です。

    なぜ7000万円を狙わなかったのか? それは「時間」を優先したからです。

    僕たちには「子供の中学受験」というタイムリミットがありました。 そして、買い手の方も「子供の小学校入学に合わせて、今すぐこのエリアに住みたい」という事情がありました。 「5500万円なら、即決します」 そのオファーに、僕たちは合意しました。もし時間をかければ6000万超えもあったかもしれませんが、僕たち家族にとっての「スムーズな新生活への移行」は、差額の数百万以上の価値があったのです。

    売却益で約2000万もの大金がキャッシュで手元に

    住宅ローンの残債と購入時の諸費用を差し引くと最終的に僕の手元に残ったのは約2000万円という大金でした。普通であれば、新居の頭金として入れて月々の返済額を減らすことが定石だと思いますが、僕は違う道を選択しました。

    詳しくは以下の記事をご覧ください。

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    資産価値を知ることは、心の保険になる

    今回の経験で強く思ったことがあります。 それは、「売る予定がなくても、自分の家の価値(時価)は知っておくべき」ということです。

    もし仕事が辛くなっても、何かあったとしても、 「いざとなれば、この家を売ればローンをチャラにして、さらに数千万円が手元に残る」 そう分かっているだけで、日々のストレスやプレッシャーが驚くほど軽くなります。

    家の査定は、売却のためだけでなく、「人生の選択肢(逃げ道)」を確認するためのメンテナンスです。 皆さんも一度、自分の家の「今の値段」を確認してみてはいかがでしょうか。意外な「ボーナス」が埋まっているかもしれませんよ。

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    「家は高く売れました。でも、都内の家はもっと高かった…! 次回は、『再建築不可』『借地権』というクセ強物件にあえて手を出した、都内の家探し編をお届けします」

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  • 【住み替え体験談】40代で流山から文京区へ。僕が持ち家を売って都内転居を決めた全記録

     

    僕たちが「理想の郊外」を手放した日

    こんにちは。文京区在住の歯科技工士、文京ライフです。

    2021年の春、約12年住んだ千葉県の「流山おおたかの森」を離れ、家族で東京都文京区へ引っ越しましました。このブログは、40代で持ち家を売却し、都内へ住み替えを決断した僕の体験談(全記録)です。実は今、約4年が経過していますがあの時の決断は間違っていなかったと断言できます。

    正直、おおたかの森は最高でした。 僕たちが家を買った2009年当時は、駅前を離れると周りは田畑が広がっておりカーナビにも対応していない状況でした。その後、街の発展とともに地価は高騰。そんな中、4000万円で40坪・4LDKという広さの一戸建てを手に入れることができました。結果的に、購入時よりも高く売却できたことが、今回の都内への住み替え(資金計画)を後押ししてくれました。ここは「資産価値」という視点でも、本当に運が良かったと感じています。場所は、駅まで徒歩15分。近隣住民も同じ時期に引っ越してきたばかりで、コミュニティも温かい。まさに「子育ての正解」と言える場所でした。

    では、なぜそのような環境を手放してまで、家賃も物価も高い都内へ引っ越したのか? その理由は、たった一つ。「子供の時間の使い方(中学受験)」という壁にぶつかったからです。

    今日は、40代の子育て世帯が直面する「郊外の広さ vs 都内の時間」という究極の選択について、我が家の実体験をお話しします。

    「広さ」こそが正義だった10年前

    時計の針を少し戻します。 僕が東京から流山へ移住したのは2009年。長男が1歳になる前でした。 当時の僕は、都内の便利な場所に住んでいましたが、子供が生まれて価値観が一変。「庭付きの一戸建てでとにかくのびのび育てたい」と思いました。

    当時のおおたかの森は、今のようなキラキラした街というよりは、これから発展していくワクワク感のある街。 「この立地で4000万円で、庭付きの広い家が買える」 この決断は、当時としては間違いなく大正解でした。街はどんどん便利になり、同世代のファミリーも増え、子供たちは豊かな環境ですくすくと育ちました。

    小学校高学年で気づいた「見えない壁」

    変化が訪れたのは、長男が小学校高学年になった頃です。 周りの友達が、一人、また一人と塾に通うようになっているのを、聞くようになりました。

    「うちは公立でいいかな」とのんびり構えていた僕も、妻の「選択肢は多いほうがいいんじゃない?」という言葉や、街全体の教育熱の高まりを感じて、少しずつ意識が変わっていきました。

    そして、いざ学校見学を始めて気づいたのです。 「千葉県内にも良い学校はある。でも、都内に出ればもっと選択肢がある」 という事実に。

    片道1時間半の通学は「子供の青春」を奪うか?

    長男が気に入った都内の私立中学校。大好きなサッカーも強い強豪校。 通えない距離ではありません。でも、流山おおたかの森から通うとなると、ドアツードアで片道1時間半以上。往復で約3時間です。それも通勤通学時間帯のピークに重なるので、満員電車の中を過ごすこととなります。

    僕自身、これまでの社会人人生で都内の満員電車を使って通勤してきましたが、大人の通勤の1時間と、育ち盛りの中学生の1時間は意味が違います。

    部活もやって、勉強もして、友達とも遊んでほしい。 そう考えた時、「1日3時間を電車の中で過ごさせること」が、どうしても親として最適解だと思えなくなってしまいました。

    【40代の決断】家族会議で「都内への住み替え」を決めるまで

    「だったらもう、都内に引っ越そうか」 その言葉が出るのに、時間はかかりませんでした。

    僕自身が東京生まれで、都内の感覚に馴染みがあったこと。

    家族全員が「都内暮らし」にポジティブだったこと。

    何より、「親の都合(広くて安い家)を守るために、子供の選択肢を狭めたくない」という想いが合致しました。

    エリアは文京区に限定していたわけではありませんが、他の区も含めて検討し、「通学のしやすさ」と「住環境」のバランスで現在の場所に決めました。

    【住み替え体験談】広さを捨てて得たもの、資産価値の真実

    こうして僕たちは、40坪の広い家から、都内の一戸建てへ移りました(なんと40坪から15坪へ激減しました笑)。

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    引っ越してからまだ3年を経過したばかりですが、結論から言うと「本当に良かった」と思っています。 もちろん家は狭くなったし、生活コストは上がりました。でも、それ以上に得られた「時間」と「家族の笑顔」があります。

    また次の記事でいろいろと書いていきたいと思います。

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  • はじめに

    2022年の春に、千葉県の流山おおたかの森から文京区に転居してきました。

    転居してからはや3年を経過しましたので、転居に至る経緯を振り返るとともに、今後のライフプランも考えていきたいなと思いブログをはじめることにしました。

    ゆる~くやっていこうと思いますのでどうぞ今後ともよろしくお願いします。